モンテッソーリ教育における「数の敏感期」とは?
モンテッソーリ教育では、子どもは発達段階ごとに「敏感期」と呼ばれる特定の能力が急速に発達する時期を迎えるとされています。
「数の敏感期」 は、その中でも 「数」や「数量」の概念に対して特別な興味を持ち、急速に学びを深める時期」 を指します。
⭐️ 数の敏感期はいつ訪れるのか?
モンテッソーリ教育では、数の敏感期はおよそ3歳~6歳頃に訪れる とされています。
ただし、個人差があり、早い子では2歳頃から、遅い子でも6歳以降に興味を示すことがあります。
この時期の特徴
- 数字や数量に興味を持つ(数字を見つけると指差したりする)
- ものを数えることを楽しむ(お菓子やおもちゃの数を数えたがる)
- 「もっと」「少し」などの量的な違いを理解し始める
- 計算遊び(「リンゴが1つ増えたら何個?」など)を楽しむ
この時期に 「数」への興味を自然に引き出し、学びを促す環境を作ることが重要 です。
⭐️数の敏感期に見られる行動
① 物を数えることを楽しむ
子どもはこの時期に、日常生活の中で自然に「数を数える」行動を始めます。 例えば、
- 階段を登るときに「1、2、3…」と数える
- おやつを「〇個ちょうだい」と具体的な数で要求する
- 「あと何回?」と繰り返し聞く
この行動は、「数の順序」「量の概念」「数の対応関係」 を学ぶための自然なステップです。
② 数字を見つけるのが好きになる
子どもは「数字」という記号に興味を持ち始めます。
- カレンダーの数字を指差す
- 看板や時計の数字を読む
- 数字の形をなぞったり、書こうとする
この時期に「数字の記号」と「実際の数」を関連付けられると、数の理解が深まります。
③ 具体物を使って計算しようとする
3~6歳頃の子どもは、具体的な物を使って「加える」「減らす」といったシンプルな計算を自然に行います。 例えば、
- 「お菓子が3つあるけど、1つ食べたら何個になる?」
- 「ブロックをあと2つ足すと、全部でいくつになる?」 このようなやり取りの中で、数の概念が定着していきます。
⭐️数の敏感期にできるモンテッソーリ教育のアプローチ
① 具体物を使った数遊び
モンテッソーリ教育では、「手を使って学ぶ」ことが重視されるため、実際に物を触りながら数を学ぶ活動が効果的です。
おすすめの数の遊び
- ビーズを数える(1つずつ並べて、「これは5個だね」)
- 洗濯ばさみを使う(決まった数だけ取り付ける)
- おはじきや積み木で「いくつある?」と聞く
「目で見て、手で触れる」 ことで、数の概念がしっかり身につきます。
② 「1対1対応」を意識した活動
数を正しく理解するには、「1つのものに1つの数を対応させる」ことが大切です。
おすすめの活動
- コップとスプーンのセット:「コップにスプーンを1本ずつ入れる」
- おもちゃの仕分け:「1つの箱に1つずつ積み木を入れる」
このような遊びを通じて、「数はモノと対応する」 ことを自然に学べます。
③ 数字の記号と数量を関連付ける
子どもが数字に興味を持ち始めたら、「数字の記号」と「実際の数」 を結びつける活動が有効です。
おすすめの活動
- 数字カードと物を組み合わせる(「3」のカードの横に3つの積み木を置く)
- 時計の数字を読む(「今、8時だね!」)
- 買い物ごっこ(「りんごを2個ください」と数を使う)
遊びの中で、「数字は数を表す記号」であることを学びます。
④ 日常生活の中で数を意識する
数の学びは、特別な教材がなくても日常の中でたくさん経験できます。
日常でできること
- 「あと何回?」と回数を数える遊び
(「あと3回ジャンプしたら終わり!」) - 料理の計量
(「お砂糖をスプーン2杯入れよう」) - 階段を数えながら登る
日常のちょっとした場面で「数を意識すること」が、自然な学びにつながります。
⭐️数の敏感期に大切にしたいこと
① 無理に教え込まない
数の敏感期は、あくまで 「子ども自身が興味を持ったときに伸ばすべき」 ものです。
「もっと数を覚えさせたい!」と親が急かしてしまうと、子どもが**「数=勉強」** と捉え、嫌になってしまうことも。
楽しみながら、自然に数に触れる環境を作ることが大切です。
② 具体物を使った学びを大切にする
モンテッソーリ教育では、「頭の中で計算する」のではなく、「手で触って体験する」 ことを重視します。
数の概念を身につけるために、具体的な物を使う機会を増やしましょう。
③ 子どもの興味を尊重する
子どもによって、「数字が好き」「数を数えるのが楽しい」という気持ちが強い時期は異なります。
数に興味を示したら、そのタイミングを逃さずにサポートしてあげることが重要です。
⭐️まとめ
数の敏感期は、子どもが自然と「数」に興味を持つ時期 であり、3歳~6歳頃に訪れます。
この時期に、無理なく数に触れる機会を作ることで、数の理解が深まります。
数の敏感期の特徴
- 物を数えるのが好き
- 数字を見つけると喜ぶ
- 計算の遊びを楽しむ
おすすめのアプローチ
- 具体物を使って数を数える
- 数字と数量を対応させる遊び
- 日常生活の中で数を意識する
「学ばせよう」とするのではなく、子どもが楽しみながら学べる環境を整えることが大切 です。
数の敏感期を上手に活かして、子どもが楽しく「数の世界」を広げていけるようにサポートしていきましょう。
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