⭐️ダメなところがあるから、愛おしい。そして、役割が生まれる
こんにちは。
今日は、「人の弱さ」や「失敗」にまつわる、ちょっと深い話をしてみたいと思います。
私たちは、つい「できること」「成功すること」に目を向けがちです。
でも本当に心が動く瞬間って、意外と「うまくいかなかったとき」や「誰かの弱さに触れたとき」だったりしませんか?
たとえば、子どもが初めての自転車に乗って、何度も転びながらチャレンジしている姿。
手伝ってって言えずにもじもじしている姿。
そんな姿に、ぎゅっと抱きしめたくなるような愛おしさを感じたこと、きっとあると思います。
実は、人の「ダメなところ」や「失敗」って、ただ愛おしいだけじゃないんです。
そこに、“役割”が生まれるんです。
誰かが困っている。
だから、手を差し伸べる人が必要になる。
そうやって「支える人」「そばにいる人」「見守る人」としての役割が生まれてくる。
これは親子でも、学校でも、職場でも、どこでも起きる自然な流れです。
そして不思議なことに、人は誰かを支えたとき、自分自身の存在意義を感じることができます。
「頼られた」「必要とされた」
それだけで、人は満たされていくのです。
でも……今の子どもたちはどうでしょうか?
「失敗してもいいんだよ」
「自分らしくいていいんだよ」
大人はよくそう言います。
でも、現実の空気はどうでしょう?
テストで間違えると評価が下がる。
みんなと違う行動をすると浮いてしまう。
間違って発言すると、クラスの空気がピリッとする——
そこにあるのは、“同調圧力”という見えないルール。
「みんなと同じように」
「空気を乱さないように」
そんなプレッシャーの中で、子どもたちはだんだんと“失敗する自由”を手放してしまいます。
でも、考えてみてください。
誰も失敗しない世界に、「助ける役割」は必要でしょうか?
誰も困らない世界で、人との関わりは生まれるでしょうか?
むしろ、うまくいかないことがあるからこそ、人は人を求めるんです。
頼ることができるから、つながりが生まれるんです。
失敗は、ただの「できなかったこと」じゃありません。
**そこに誰かの出番が生まれる「合図」**なんです。
だから私は、子どもたちにこう伝えたい。
「ダメなところがあるのは、悪いことじゃない」
「失敗することで、誰かがあなたを支えるチャンスが生まれる」
「あなたの弱さが、誰かの強さを引き出すことだってあるんだよ」
そして、大人の私たちも。
「正しさ」や「完璧さ」ばかりを求めるのではなく、
“失敗しても大丈夫な空気”を、態度で示すことが求められているのだと思います。
完璧じゃないから、人は人を必要とする。
不完全だからこそ、愛し愛される関係が育つ。
そんな、人間らしいあたたかさを、もう一度大切にしていきたいですね。
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