⭐️自己啓発本を読んでも変われない理由
──それは「脳の本能」と「日本人の気質」、そして“思考の力”にあった。
「もっと前向きに考えよう」
「ポジティブな言葉を使えば人生は変わる」
そんなことが書かれた自己啓発本、読んだことはありますか?
読んだ瞬間は「やるぞ!」と思うのに、数日たつとまた元どおり。
「私って、どうして前向きになれないんだろう」
「努力が足りないのかな……」
そんなふうに落ち込んだことのある方に、ぜひ知ってほしいことがあります。
それは――
人間の脳は、放っておくとマイナス思考になるようにできている
実は、**人間の脳にはもともと“ネガティブに考えるクセ”**が備わっています。
これは「生存本能」と呼ばれるもので、命を守るための防衛システムです。
太古の昔、人は常に危険と隣り合わせ。
「もしかしてここに敵がいるかも」「失敗したらどうしよう」――
そんなふうに最悪を想定できる人の方が、生き残れたのです。
つまり、マイナス思考になるのは脳の正常な働き。
だからこそ、何もしなければ自然と不安・心配・攻撃的な思考に流れていってしまうのです。
日本人は、さらにマイナス思考になりやすい民族
しかも日本人は、世界的に見てもマイナス思考になりやすい気質を持っています。
それは「セロトニントランスポーター遺伝子(5-HTTLPR)」という遺伝子の型に関係しています。
この遺伝子には「L型」と「S型」があり、S型を持っている人はストレスや不安を感じやすい傾向があります。
そしてこのS型、日本人の約7~8割が持っているといわれています。
慎重で空気を読み、周囲に気を配る――
それは日本の文化を支えてきた美徳でもありますが、
現代社会では「生きづらさ」や「過剰な気疲れ」につながることもあるのです。
さらに…マイナス思考は人間関係にも影響を与えている
ここで注目したいのが、思考が現実をつくるという事実です。
私たちは「言葉にしない思考」でも、現実に影響を与えています。
マイナス思考が強くなると、心の中でこんなことが起こります:
- 「あの人はどうせ○○だ」と人を見下す
- 「なんで私ばっかり…」と他人を責める
- 「あいつはダメだ」と攻撃的な目で見てしまう
そして恐ろしいことに、その思考のエネルギーが、やがて自分の現実となって返ってくるのです。
思考は現実化する。
他人を見下す思考を持てば、自分が見下されるような現実を引き寄せる。
他人を攻撃する思考を持てば、自分が攻撃されるような出来事に巻き込まれる。
これは精神論ではなく、**人間関係や社会心理学でも確認されている“反応の連鎖”**です。
あなたの「心の中の世界」が、周囲に影響を与え、巡り巡ってあなた自身の環境を形作っていくのです。
自己啓発本を読んでも変われないのは、あなたのせいじゃない
このように、プラス思考を身につけることは「脳のクセ」に逆らう訓練。
しかも日本人はその傾向が強く、周囲の目や空気を気にする文化の中で、なおさら難しい。
自己啓発本で紹介されている前向きな考え方や習慣は、筋トレのようなもの。
簡単にできないのは当たり前。続ける努力が必要なんです。
それでも、ごくまれに“前向きな小人”を持つ人がいる
ごく少数ですが、最初からポジティブな思考のクセを持つ人もいます。
落ち込んでもすぐに立ち直り、物事の明るい側面に目を向けられる人。
まるで心の中に“前向き担当の小人”が住んでいるかのようです。
でもそれは生まれ持った個性であり、才能です。
比べる必要はありません。
大切なのは、意識して“思考を整える習慣”を持つこと
人の脳は、黙っていると勝手に不安や怒りを生み出します。
だからこそ、意識して“自分の思考”を点検することが大切です。
- 朝に「感謝」を思い出す
- 日記に「よかったこと」を書く
- 誰かの幸せを願う
- 相手の良いところを意識して見る
そうした習慣が、あなたの“思考の質”を変え、
やがて現実までも変えていく力になります。
⭐️まとめ
人間の脳は放っておくとマイナス思考になります。
それは「生き延びるための本能」であり、特に日本人は遺伝的にその傾向が強いのです。
そして――
思考は現実化します。
他人への見下しや攻撃的な思考は、やがて自分が傷つく世界をつくり出してしまうのです。
だからこそ大切なのは、「思考を整える習慣」。
あなたの内側が変われば、見える世界も変わります。


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