⭐️原因と結果を逆に見ると見えてくる、人の行動の本当の理由              行動分析学(ABA)パート1

⭐️ ABAでは「原因と結果を逆に考える」

子どもの行動を見ていると、私たちはつい「なぜその行動をしたのか?」という 原因探し をしてしまいます。

  • 「泣いたのは、性格が甘えん坊だから」
  • 「騒ぐのは、落ち着きがないから」
  • 「宿題をしないのは、やる気がないから」

こうした“内面の原因”に理由を求める考え方は、とても自然で私たち大人が普段慣れている見方です。

しかし、応用行動分析(ABA)では少し違います。
ABAでは 行動の直後にどんな結果が起きたか に注目します。
つまり、「原因は行動の前にある性格や気分ではなく、行動のあとにある結果が、その行動を増やしている」と考えるのです。

⭐️ ABA的な見方の特徴

ABAでは「原因=内面の特性」ではなく、「原因=行動の直後の結果」と考えます。
その結果が、

  • 好子(嬉しいもの)が出現することで行動が強化される(正の強化)
  • 嫌子(嫌なもの)が消失することで行動が強化される(負の強化)

という仕組みになっているのです。


例1:泣く行動(好子出現の強化)

  • 子どもが泣く → 親が抱っこする → 子どもは安心する
    一般的な考え方:「泣いた原因は不安だから」
    ABA的な見方:「泣いたあとに“抱っこ(好子)”が得られた」 → その結果、泣く行動が増える。
    👉 これは 好子出現の強化(正の強化) の典型例です。

例2:騒ぐ行動(好子出現の強化)

  • 授業中に騒ぐ → 先生に注意される → 周囲の注目を得る
    一般的な考え方:「落ち着きがないのが原因」
    ABA的な見方:「騒いだあとに“先生からの注目(好子)”が得られた」 → その結果、騒ぎ行動が増える。
    👉 一見マイナスのように見える「注意」も、子どもにとっては好子となり、行動を強化してしまいます。

例3:宿題をしない行動(嫌子消失の強化)

  • 宿題をやらない → 親が根負けして「もう今日はいいよ」と言う → 子どもは嫌な課題から解放される
    一般的な考え方:「やる気がないから宿題しない」
    ABA的な見方:「宿題をしなかったら“嫌な課題(嫌子)がなくなった”」 → その結果、宿題をしない行動が増える。
    👉 これは 嫌子消失の強化(負の強化) の代表例です。

⭐️ まとめ

日常の中で「この子はなんでこうするんだろう?」と思ったとき、
気持ちや性格を原因にするのではなく、「この行動の直後にどんな結果があったのか?」 を観察することが大切です。

その結果が「好子出現」か「嫌子消失」として機能していれば、その行動は繰り返されます。
この視点を持つだけで、子どもの行動はぐっと理解しやすくなり、関わり方のヒントが見えてきます。


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